当事者研究ブログ「大人の頭蓋骨縫合早期癒合症」

頭蓋骨縫合早期癒合症(軽度三角頭蓋)と高次脳機能障害(容量性注意障害)に関する当事者研究の記録です。言語性ワーキングメモリと日本語(右側主要部の規則)の関係、デフォルトモードネットワークの機能について研究しています。目的①頭蓋骨縫合早期癒合症を成人症例、生活史を記事としてまとめること。目的②特異的言語発達障害の当事者研究をもとに、日本語が日本人の思考に与える影響(サピアウォーフ仮説)を考察すること。

学校の成績不振を引き起こす特異的言語発達障害(教科書理解できない、授業でメモ取れない)

特異的言語発達障害に関する説明と、私自身の症例については別の記事で扱っています。

 

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

 

特異的言語発達障害が学業を達成するうえでの障壁となります。しかし、特異的言語発達障害学習障害に分類するという見方は不適切であると私は考えています。

特異的言語発達障害学習障害の関係について考察した研究は、既に存在します。

山根律子「特異的言語障害とそのサブタイプ」 

ci.nii.ac.jpこの研究では、両者の関係について以下のように説明しています。

「特異的言語障害は、学習障害の一部としてとらえられる場合もある。 ・・・学習障害と特異的言語障害とでは、定義の問題に加えて、質的な類似性についての指摘もある。・・・特異的言語障害の原因となるメカニズムが、他の学習障害の領域と共通するかもしれないことが示唆される。このように、特異的言語障害の位置づけは未だあいまいである。「学習障害」「コミュニケーション障害」といった用語の定義が一定でないため、定義により特異的言語障害の位置づけが異なることがその理由としてあげられる。」

学習障害の特徴は「知能が正常であるが、学業を達成するうえでの困難さという性質を持つこと」です。学習障害はどちらかというと「問題概念」です。そして包括的な概念であるため、一つに絞られません。すなわち、「学習障害はこういった症状を持つ」という説明は妥当ではなく、「この精神障害学習障害である」、というように説明するほうが正しいということになります。

学習障害という概念のなかに含まれる複数の精神障害は、病理および現れる症状が全く異なるもの同士となります。「学習障害」の狭義に該当する限局性学習障害を構成する神経症状の種類は以下の通りです。

ディスレクシア:視覚言語情報を入力する機能の無効化

・ディスグラフィア(書字表出障害):視覚言語情報を運用する機能の無効化

・ディスカリキュア(算数障害):数字およびそれに関係する概念の理解及び運用の困難さ

学習障害に対して特異的言語発達障害の症状とは、ワーキングメモリの無効化による、複雑な統語構造の文の認知の困難性です。

この症状が学業の達成に与える悪影響とは、大きく分類すると2種類の問題が存在します。

① 「実体的問題」

意味:学業の内容との相性の悪さ、要するに科目の内容との関係です。

  • 読解問題が大半となる国語、現代文
  • 英語の中でも、複雑な読解問題やリスニング、ライティングの精度が求められるもの

② 「手続的問題」:学業の内容を伝達する「メディア」との相性の悪さを意味します。

  • 先生の話の構造が複雑である場合、理解できない。
  • 授業で話を理解しながらメモを取れない
  • 教科書の読解が困難である。これは文系科目及び一部の理系科目において顕著である。

限局性学習障害とは異なり、特異的言語発達障害による学業に与える悪影響は、ある程度防ぐことが可能です。

まず、「実体的問題」について。以下の科目は特異的言語発達障害の悪影響を受けにくい科目の領域は以下のとおりです。

・理数系科目全般

・英語のなかでは英文法、語彙に関する問題

・国語のなかでは漢字に関する問題

特異的言語発達障害を抱えている場合、理数系科目および、読解問題による配点の少ない言語科目を採用する試験を選択するべきです。

次に「手続的問題」について。特異的言語発達障害は、現実の授業を受けることによって得られる恩恵は少ないです。なので、反復が不可能な授業を選ぶことより、反復が可能な選択肢、例えば教科書を読んでいく方がよいでしょう。

現代は技術の発展により、現実の授業に代わる方法として、例えばオンラインの動画講座という選択肢を採用することにより、たとえ聞きもらした部分を繰り返すことが可能になります。

しかし、いずれにしても教科書および動画講座の中身は文章であるため、結局のところ理解するスピードは通常と比べ遅いため、理解するまでには時間がかかってしまいます。 

特異的言語発達障害は、学力の低下の要因としては有力であるため、根本原因に該当する容量性注意障害を治療することが妥当であるといえます。

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