当事者研究ブログ:大人の頭蓋骨縫合早期癒合症

頭蓋骨縫合早期癒合症(軽度三角頭蓋)と高次脳機能障害(容量性注意障害)についての当事者研究のノートです。言語性ワーキングメモリと日本語(右側主要部の規則)の関係について研究しています。目的①頭蓋骨縫合早期癒合症を成人症例、生活史を記事としてまとめること。目的②特異的言語発達障害の当事者研究をもとに、日本語が日本人の思考に与える影響(サピアウォーフ仮説)を考察すること。

自己紹介・研究活動・目標

私は、軽度の頭蓋骨縫合早期癒合症の「成人当事者」です。そしてこれに起因する高次脳機能障害である容量性注意障害を患っています。

通常の早期癒合症は幼児期のうちに症状が顕在化し、治療される病気であることから、「小児慢性特定疾病」として、医学によって認知されています。一方「早期癒合症の成人患者」は問題が存在するはずですが問題提起されていないため、2020年時点では医学において想定されていません。容量性注意障害も精神医学において高次脳機能障害概念として存在してはいるものの、詳細に考証する研究が存在していないことから、その実態は未解明であるといえます。

早期癒合症によって、先述した容量性注意障害のほかにも身体症状が併発しています。これら全ての症状について、NIRSやWAIS™-IIIなどの数々の検査結果や成育歴から、早期癒合症由来の後天的な症状であると私は推測しています。私が抱えている症状と早期癒合症の因果関係については、以下のリンク先で説明しています。

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

容量性注意障害に該当する神経症状については、早期癒合症の発覚以前に昭和大学の加藤進昌先生から、「特定不能の広汎性発達障害」(精神症状の原因不明の意味を持つ)という診断が下りています。この病名は不特定のもので、実体を持ちません。

現在、頭蓋骨縫合早期癒合症の研究は脳神経外科学の範疇で行われていますが、併発する精神症状の病理についての研究は行われておらず、治療をめぐる議論も停滞しています(その原因は精神医学の性質上の問題点にあります)。この状況を打開するべく、当方の専門分野である認知心理学神経心理学、音声言語医学などを用いたアプローチによって、その全容を解明するために研究活動をしています。
このブログの存在意義ともいえる最終的な「目標地点」は、頭蓋骨縫合早期癒合症の研究のなかで、脳神経外科学と心理学、及び言語学を用いた学際的研究を実現することです。質問等がございましたら、記事のコメント、twitterなどで問い合わせをください。最後に私の経歴を載せておきます。詐称がないことはここに宣言します。

大津諒太朗:早稲田大学法学部卒業(2016年)、日本ワーキングメモリ学会に入会し、ご厚意で学会大会で当事者研究を発表する機会をいただきました。