当事者研究ブログ「大人の頭蓋骨縫合早期癒合症」

頭蓋骨縫合早期癒合症(軽度三角頭蓋)と高次脳機能障害(容量性注意障害)に関する当事者研究の記録です。言語性ワーキングメモリと日本語(右側主要部の規則)の関係、デフォルトモードネットワークの機能について研究しています。目的①頭蓋骨縫合早期癒合症を成人症例、生活史を記事としてまとめること。目的②特異的言語発達障害の当事者研究をもとに、日本語が日本人の思考に与える影響(サピアウォーフ仮説)を考察すること。

合理的な英語脳、主要部後置型言語(SVO型言語)である英語が論理的といえる理由

文中語句の優先順位について、意味の観点で最も高い文中語句は主語と述語です。次に統語論の観点から評価すると、術語がなければその言語情報は文として成り立たないため、第一優先事項として術語は文の主要部として規定されています。そして、術語が示す「動作」には、必ず動作の主体が存在します。ゆえに統語論の観点から見ても主語と述語の優先順位が最も高いといえます。

例えば、「私はリンゴを食べた」という単文について、この文の主要部は「私は食べた」に該当します。この単文を言い換えると「リンゴを食べた私」となりますが、仮に「リンゴを」はなくても「食べた私」が成立します。つまりこの部分が最優先事項です。これに対して「リンゴを」という句は従属部であり、あくまで動作の客体にすぎません。

次に語句の優先順位を統語構造から導き出すとすると、文における語句の位置が先頭に近いほど優位性が高い語句といえるでしょう。人間が言語を表出しようとするとき、横書きの場合は左から右に語句を順番に並べながら文を作ります。意味の面で最優先事項のうちの主語であるために、文を作る際にはじめに想起するべき語句は、先述の通り主語であるため、主語を極力左に配置されます。極端な話、逆にほとんどの言語で主語が文末、すなわち術語より右側に配置されることがないのも当然です。

単文における語句の優先順位については、従属部より主要部、すなわち主語と述語が優位であるといえるでしょう。複文における主節の主要部以外の語句の優先順位については、従属節とその被修飾語であれば、被修飾語が主節の一部であることを根拠に、被修飾語が優位といえるでしょう。

優先順位が最も高い文中語句について、意味の観点から導き出した性質と統語構造から導き出した性質が一致する語順規則こそが、最も合理的であるといえるでしょう。しかし、残念ながら語順は全て言語で共通しているとは限らず、多種多様に存在します。ここで紹介する英語は、ほぼ完全に主要部前置型言語(SVO型言語)です。つまり合理的な語順を持つ言語といえます。

第一文型の文では副詞を除くと主語の次に主要部が配置されます。これに第四文型、第五文型、複文(関係代名詞、関係副詞つき)と、統語構造を複雑化しても、主節の主語と述語の間の距離は変わりません。その原因として修飾語、被修飾語の位置関係においても主要部先導型、つまり左側主要部の規則が採用されることが挙げられます。そして複文に含まれる従属節の修飾についても同様で、被修飾語の後に配置されます。

複文を大別すると「主語の語句が修飾される複文(主要部被修飾複文)」と「従属部が修飾される複文(従属部被修飾複文)」となります。英語の場合、いずれの場合においても従属節の主要部、すなわち修飾されている語句が、従属節より先に提示されるようになっています。

複文を樹木に例えると、主節の主要部を「幹(あるいは根)」とするならばその従属部は「枝」であり、従属節の主要部が「幹」であるならば、従属節の従属部に該当する句は「枝」になります。語句レベルにフォーカスすると、前置詞を伴う語句の場合、主要部との関連性から「枝」は前置詞であり、句は「葉」といった具合になると思います。

なぜ、英語が規範文法としてSVO型を厳格に規定しているのか。これについて文を展開させていくための「設計図」としての役割をSVO型語順が担っているためであると私は考えています。英語のような主要部先導型言語における左側主要部の規則は、文の意味を「幹から葉」という順番で表出できていると評価できます。英語話者が言語理解、言語表出する際にこの語順規則が補助の役割を担っているといえる可能性があると思います。

言語側に備わっている「論理性」、あるいは「合理性」というものがあるならば、それは左側主要部の規則のことだといえるでしょう。英語話者が論理的思考が得意であるというならば、その由来については、英語を用いていることによってSVO型語順による恩恵を受けた結果、思考そのものが論理的になるといえるでしょう。英会話やスピードラーニングの宣伝文句の中でしばしば「英語脳」が用いられますが、これが英語脳であると推測しています。