当事者研究ブログ:大人の頭蓋骨縫合早期癒合症

頭蓋骨縫合早期癒合症(軽度三角頭蓋)と高次脳機能障害(容量性注意障害)についての当事者研究のノートです。言語性ワーキングメモリと日本語(右側主要部の規則)の関係について研究しています。目的①頭蓋骨縫合早期癒合症を成人症例、生活史を記事としてまとめること。目的②特異的言語発達障害の当事者研究をもとに、日本語が日本人の思考に与える影響(サピアウォーフ仮説)を考察すること。

頭蓋骨縫合早期癒合症の当事者である芸能人、有名人:ヒース レジャー(Heath Andrew Ledger)

はじめに

頭蓋骨縫合早期癒合症(以下、「早期癒合症」と記述)という、頭蓋骨が通常よりも「早く閉じてしまう」疾病が存在します。脳の発達に悪影響を与える疾病として医学的に認知されている、神経発達の観点においても重篤性を持つ疾病です。

現在、早期癒合症は小児慢性特定疾病に認定されており、手術を用いた治療が行われています。

一方、軽度の早期癒合症も実在するのですが、こちらのほうは医療関係者の間で認知されているとはいえません。それどころか、軽度三角頭蓋の手術に対して否定的な見解を述べているというのが現状です。(詳細は「軽度三角頭蓋の論争」に関する記事の中で紹介しています。)

こうした背景があり、治療の機会を逃した状態のまま大人になり、そのほとんど(私以外)は軽度の早期癒合症に気づかないまますごしています。仮に、早期癒合症由来の症状があったとしても、です。

 この記事のなかで取り上げる早期癒合症とかかわりのある人物については、「成人当事者」に限定します。すなわち、以下にあげる人物は除きます。

  • 早期癒合症の患児
  • 早期癒合症の患児の親族(早期癒合症は遺伝性の病気ではない)

 

今回は、アメリカの俳優であるヒース=レジャーという人物を取り上げます。

実は、海外のウェブサイトのなかに、彼が「三角頭蓋」であることを疑う内容のコメントが存在することを確認できました。”metopic suture heath”と検索すると、その内容の記事にヒットします。

 

今回の記事で提示している仮説は、あくまで当事者の視点によって導出されたものであること、そのうえヒースレジャーはすでに鬼籍に入った人物であるため、この仮説の真偽を示せないことをご了承ください。 

 

 

第1 経歴 

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  • 性別:男性
  • 職業:俳優(2008年逝去)

 

www.imdb.com

 

代表作品は、なんといっても「ダークナイト」でしょう。彼はバットマンの宿敵であるジョーカーを演じました。

 

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彼が亡くなる直前には映画「Dr. パルナサスの鏡」を撮影していまして、これがヒースの遺作ということになります。

 

第2 早期癒合症の外見的悪影響(記事リンク)

では、ここからが本題です。

当ブログでは外見的特徴に関する記事を配信しております。

外見的悪影響をまとめますと以下の通りです。

  • 外見的特徴(頭蓋変形)・・・ 前頭縫合の「骨性隆起」、側頭部の「骨性陥没」 .etc
  • 頭皮の下垂

「頭皮の下垂」は画像で判別するのは困難ですので、外見的特徴についてのみ触れようと思います。

 

第3 仮説の導出

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  • この写真では、前頭縫合上の骨性隆起、および前側頭部の両側の「骨製陥没」が確認できます。 
  • 「頭皮の下垂」がみられないため、早期癒合症による頭蓋骨変形の影響を受けていた範囲は限定的であり、すなわち前頭縫合のみの早期癒合である可能性が高い、と推察しました。
  • しかし、三角頭蓋の外見的特徴をすべて持っている一方で、頭蓋骨全体の変形度合は低いといえます。

 よって、ヒースレジャーは軽度三角頭蓋ではないかという仮説に至りました。

 

第4 精神症状、身体症状はあったのか?

私は早期癒合症由来の症状については精神症状、身体症状の存在を挙げています。

ヒースレジャーに関する情報のなかには、これらの症状に直接関与するエピソードの存在を示す記述は存在しませんでした。

 

第5 最後に

「ヒースレジャーが軽度三角頭蓋である」という仮説の内容は、本人が公表していた事実ではありません。そうしたことから、ファンの方々にとって、今回の記事の内容は不快な内容であることは否定できません。申し訳ございません。

頭蓋骨縫合早期癒合症は小児慢性特定疾病であるため、その知名度は低いです。それに加え、頭蓋骨縫合早期癒合症に軽度のものが存在していること、そして「成人当事者」が存在するという事実を、関係者以外で把握している人は世界的にも皆無に等しいでしょう。今回の記事を書いた動機は、早期癒合症の知名度を上げる必要があると考えたことにほかなりません。