「封印」されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

頭蓋骨縫合早期癒合症の成人当事者、および認知心理学の研究者の視点で考えたことを発信しています。メインテーマは「注意」の認知科学的分析。なお当ブログの記事における内容及び理論は無断使用禁止です。

<頭蓋縫合早期癒合症の手術適用条件に対する問題提起③> 「大人の早期癒合症」が手術を受けられない件に対する疑義

ここでは、頭蓋縫合早期癒合症の手術適用条件についての提言のみを内容とします。

 

以下の記事は、脳神経外科学の解釈についての詳細を紹介しています。

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

 

 

第1 頭蓋内圧亢進の改善を早期癒合症の手術の目的としている脳神経外科の解釈は適切ではない

1 頭蓋内圧亢進症状の定義を見直すべき

「三徴がすべてそろったとき、頭蓋内圧が亢進していると判断できる」

これは一般的な病因である脳ヘルニアによる急性症状から導き出された、脳神経外科学の定理である。

しかし、軽度の早期癒合症(頭蓋内圧亢進症状の原因の一つ)による身体症状を観察すると、うっ血乳頭及び頭痛が現れていない段階で、斜視(外典神経麻痺、あるいは開散麻痺)や悪心のない嘔吐が現れているケースが存在する。

頭蓋内圧亢進症状の「三徴」の一つとして脳神経外科学において認知されている悪心のない嘔吐の症状は、頭蓋内圧亢進の前兆症状であるといえる。

 

2 大脳皮質への圧迫 ≠ 頭蓋内圧亢進

頭蓋内圧亢進の存否は、脳中心部の脳脊髄液の圧力の値によって判断される。それに対して大脳皮質は脳の外側に位置する部位である。

ゆえに、「頭蓋内圧亢進の所見が認められなければ、大脳皮質への圧迫が存在しない」と判断するのは不適切である。

 詳細は以下の記事で紹介しています。

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

 

第2 早期癒合症の手術の本来の目的は、大脳皮質への圧迫を取り除くことである

・早期癒合症による頭蓋内圧亢進の前兆と考えられる身体症状および精神症状は、頭蓋骨容積収縮によって発生したものと推測される。

 

・特有の精神症状(「ワーキングメモリ容量減少症候群」)は、前帯状皮質とDLPFC(前頭前野背外側部)との連携回路(タスクポジティブネットワーク)の不活性化によるものであると推測される。このことは大脳皮質の血流量の低下にあらわれている。

 

特有の精神症状の詳細については以下の記事で紹介しています。

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp