「封印」されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

考えたことを発信しています。メインテーマは認知科学。頭蓋縫合早期癒合症、および「ワーキングメモリ容量減少症候群」(仮)の成人当事者です。実行機能(ワーキングメモリ)について研究中。

ブログ紹介、および新年の抱負

お題「ブログ名・ハンドル名の由来」

今月で、このブログを開設してからおよそ半年たちました。記事数は少ないもののブログに割いている時間は多めだったためか、時間がとても速く過ぎたなと感じています。

ブログで書きたかった事柄を一通り、駄文ながら記事として書いていく形で消化できたので、自分の頭のなかで錯綜していた情報の整理がだいぶできました。新年を目前に控えているということもありますので、ブログの紹介や、これからこのブログが目的とするべきことを書いていこうと思います。

 

 

第1 ブログのタイトルについて

ブログタイトルの「封印されしアタマの中より」というのは、私の「脳みそ」の状態を意味しています。

私の頭蓋骨は、早期癒合症による変形頭蓋骨(軽度な三角および舟状頭蓋)です。この頭蓋骨によって、ある機能が封印されている状態なのです。

では、なにが封印されているのかを具体的に説明しますと、大脳新皮質にある前頭前野背外側部(DLPFC)です。この部位の役割を簡潔に申しますと、いわゆる「ワーキングメモリ」です。ただ、この「封印」は、ワーキングメモリの機能低下を引き起こしているのではなく、どうやらワーキングメモリの容量不足を引き起こしているだろう、というのが私の見解です。

上記のような、前頭前野背外側部が担うワーキングメモリの容量が「封印」されている人間が発信する記事ということで、上記のようなブログタイトルにしました。

 

第2 ブログを開設するに至ったきっかけ

1 早期癒合症の当事者である私の症状

先に紹介した早期癒合症が引き起こす問題が外見(特に髪型)上の問題だけなら、わざわざブログを開設するようなたいしたことにはなりません。実際、早期癒合症によって引き起こされたの考えられる二次障害は、日常生活に影響を与えるものばかりです。

まず、私が抱える、早期癒合症による「ワーキングメモリの容量不足」が原因と思われる以下の神経症は以下の通りです。

・特異的言語障害(読み、書き、聞きに困難、語彙には影響なし)

・注意欠陥症状

離人症性障害

 

次に私の身体症状のなかで、早期癒合症との関連性が報告されているものは以下の通りです。

・潜伏性内斜視(開散麻痺)

・嘔吐(非びらん性胃食道逆流症?)

 

2 症状の「あいまい性」

あいまい性というのは、原因が不明であり、かつ症状が日常生活に支障をきたさない程度のものであるという意味です。このため、医学は根治療法ではなく対症療法をするしかありません。

上記の精神症状は、神経症や「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」といった、分類上あいまいなもので、精神医学では相手にする必要がないと考えられています。おそらくこれらの症状が出るまでのメカニズムは多種多様で、精神疾患の中では比較的、症状が軽いからでしょう。

身体症状も同様で、斜視(なかでも開散麻痺)が発生するまでのメカニズムははっきりと解明されていませんし、また、非びらん性胃食道逆流症も原因不明です。

 

3 軽度三角頭蓋(「大人の早期癒合症」)の存在を啓発する必要性

しかし、いろいろ調べてみますと、これらの症状が早期癒合症によって引き起こされている可能性を病理学的に導き出せるという結論に至りました。

軽度三角頭蓋の手術の是非を問う議論は、割と最近になって行われたばかりですが、軽度三角頭蓋のほうは昨今に発生したものであるわけがありません。つまり、自身が三角頭蓋であることを知らない成人が存在するはずではないでしょうか。

「ワーキングメモリの容量」というのは、生き方によっては必要がないかもしれません。しかし、現代社会は肉体労働から頭脳労働にシフトされているので、「ワーキングメモリ容量の容量が高い」状態に越したことはありません。

すなわち、ワーキングメモリの容量に障害をきたすような状態であると、社会生活を営めず、そのうえそれがもたらす性質から社会的に殺されます。

以上のことをふまえると、やはり啓発活動をする必要性が十分にあると私は考えました。その手段として、匿名ですがブログを採用しました。

 

第3 当ブログの目的

このブログを通して発信したい事柄の内容を、以下に要約しました。

 

 

1 ワーキングメモリの「容量」概念の提唱

① 「注意の焦点の広さ」という概念の重要性の再認識が必要である

「注意の焦点」という概念の重要性を再認識することは、先の実行機能障害の分類だけでなく、認知心理学による言語情報認知プロセスの分析をするうえでも重要であると私は考えています。

「注意の焦点」という概念はもともと、心理学者のNelson Cowan(以下コーワン)が言語情報認知プロセスにおけるワーキングメモリの役割を説明する際に使用している言葉です。

しかし、ワーキングメモリが小容量となっている私自身だから感じることですが、ワーキングメモリの容量が決定づける「注意の焦点」の広さは言語情報認知だけでなく、日常生活においても強い関わりのある概念であると考えています。

なぜならば、注意の焦点の広さは、認知プロセス上のマルチタスクの可否を決定づけるからです。

 

② マルチタスクの可否を決定するワーキングメモリの「容量」

そこで私は、コーワンが提唱する「注意の焦点」という概念を別の形で表現するために、Alan Baddeleyの提唱した概念である「ワーキングメモリ」を派生させて、「ワーキングメモリ容量」という概念を作ってみました(私以前より存在しているかもしれませんが)。これは、現実に存在するパソコンのメモリ容量という概念をワーキングメモリに導入したものになります。

 

2 実行機能障害のさらなる分類(ADHDとADDの相違)

実行機能(ワーキングメモリ)が障害されている状態を、注意欠如多動性障害(ADHD)といいます。実行機能とは抑制機能や注意制御機能の総称であり、これらの機能が低下することによって、行動に注意欠如性、衝動性が発展した多動性が目立つことで、ADHDになるわけです。

先に結論を言えば、ADHDとADD(衝動性がない注意欠陥症状)は、発生要因が全く異なると考えています。

ADHDの原因はドーパミン仮説が示す内容の通りです。これに対して、ADDのほうはいわゆる「注意の焦点」が狭いことによるものだと考えています。

 

そこで私は実行機能障害を以下のように分類する必要があると考えています。

・ワーキングメモリが機能不全をおこしている状態(ADHD

・ワーキングメモリが十分機能しているが、注意の焦点が狭くなっている状態(ADD)

 

3 軽度三角頭蓋の手術の是非をめぐる論争の解決策の提示

このブログのメインテーマといえる部分です。早期癒合症のなかでも軽度な部類に位置する軽度三角頭蓋は、手術の是非を問う論争の火種となっています。しかし、この論争はまっとうな方向に進んでいないと私は考えています。

この論争に関わっている団体は、早期癒合症の執刀医となる脳神経外科や、自閉症協会や日本児童青年精神医学会に挙げられる精神科のみです。そのためか、軽度三角頭蓋が原因であると報告されている神経症状を正確に解析できない状況で止まっています。

この議論を進展させるためには、認知科学(認知脳科学認知心理学)が介入する必要があると考えています。認知科学の研究対象は精神医学より先進的であるので、DSM-5によって定義されていないような未知なる神経症の解析ができます。

つまり、軽度三角頭蓋が引き起こしている、実行機能障害である以外なにものでもない神経症状を解析する主体として、認知科学が最もふさわしいと私は考えています。

認知心理学と軽度三角頭蓋の議論の関係の創出につなげたいと考えております。

 

参考記事はこちら↓

atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp

  

他にも提唱したいことは、言語についてなどを含めたくさんありますが、主に主張したいことの提示のみで締めます。

 

第4 当ブログで扱う題材

「認知」とは、人が外部から獲得した情報を処理するプロセス、および人が外部へ情報を発信するために情報を処理するプロセスを意味します。知覚とは異なり、人間の知的生産活動を経由するのが、認知の特徴です。この認知を科学する学問体系が、認知科学です。

現在私は認知科学を学習しており、学会員としても活動しています。とくに認知心理学認知言語学、心理言語学を利用しながら実行機能を中心に諸現象を考察するのが、好きなのです。

基本的には認知科学の概念を使用しながら書いていきますが、もちろん異なる領域、例えば精神分析や言語類型論といった分野をテーマにした近々触れる予定です。それだけでなくほかの学問、例えば言語哲学、音楽といったものにも興味があるので、考えがまとまり次第投稿いたします。