「封印」されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

考えたことを発信しています。メインテーマは認知科学。頭蓋縫合早期癒合症、および「ワーキングメモリ容量減少症候群」(仮)の成人当事者です。実行機能(ワーキングメモリ)について研究中。

「大人の早期癒合症」とはなんだろう?

当ブログの名前の副題になっている「大人の早期癒合症」というコトバは、読者の皆さんにとって初めて見聞きする言葉ではないでしょうか。

それもそのはず、早期癒合症という病気は赤ちゃんの頃に発見されるべき病気なわけです。そこに「大人」という言葉がつくのは、逆説的です。

しかし、私のように成人になってから早期癒合症が発覚するケースも存在します。症状が見過ごされてきたという点において「大人の発達障害」と共通するので、あのようなコトバをつくりました。

 

今回は、早期癒合症と「大人の早期癒合症」の概要について、かんたんに紹介します。

 

 

目次

 

第1 そもそも早期癒合症とはなにか?

1 概要

赤ちゃんが生まれるときは産道を通るために、赤ちゃんのアタマを柔軟にする必要があります。そのため顔より上の部分は骨が一つに固まっていないのが通常です。そして成長するにしたがって大泉門や小泉門といった隙間が閉じていきます。こうして人の頭蓋骨は一つの強固な骨になっていきます。

一方で、頭蓋骨が早い時期に閉じることがあります。これが頭蓋縫合早期癒合症です。早くに閉じたために頭蓋骨の広がりが抑制されるので、頭蓋内の環境に悪影響を与えると一般的に考えられています。

発生頻度は1万人に4~10人*1。 

 

2 症状

頭蓋骨の中で脳が圧迫された状態だと頭蓋内圧が通常より高くなるので、以下のような症状が現れます。

・眼球突出

・嘔吐

・外転神経麻痺

・眼球のうっ血乳頭

また、併発する精神症状の現れ方は千差万別だそうで、

夜驚症

ADHD

言語障害

etc.

の原因になりうるといわれます。

 

3 早期癒合症の鑑別、治療

鑑別には、触診や頭蓋骨の3DCT映像、及び頭蓋内のX線写真の撮影を通して行われます。

一般的なレベルの早期癒合症は、頭蓋の変形は顕著です。それは素人目線でも外見ですぐに異常だとわかるほどです。

外見の改善、及び精神障害発生の抑止のために、脳神経外科及び形成外科が手術します。少なくとも現代の日本を含めた先進国では、早期癒合症の状態で成人に成長するということはありえないことです。(ただし後進国ではこの限りではない)。

 

第2 「大人の早期癒合症」について

1 概要

これまでは早期癒合症の概要を紹介しました。

実は、早期癒合症には軽度のものが存在しています。「軽度」とは、早期癒合の程度が軽いさまを意味します。厳密に言えば、一般的な早期癒合症と比べて、癒合するタイミングは遅いけれども、通常と比べると癒合するのが早い…とでもいうべきでしょうか。

 

前に記述したとおり、早期癒合症が年少の間に治療されるのは、外見ですぐに分かるほどの頭蓋骨の変形だからです。

では、もし仮に頭蓋が変形するほど早期に癒合していない場合はどうなるでしょうか?

 

もちろん、3歳時検診などの医師が気づくわけがないので、そのまま見過ごされてしまうでしょう。大人になってからようやく早期癒合症であることを知った私のようなケースはおそらく少数で、あるいはそのまま気づかないケースがほとんどでしょう。

 

これが「大人の早期癒合症」です。一般的に「軽度三角頭蓋」と表現されています。しかし、私のように前頭縫合と矢状縫合が早期癒合している場合もあり、「軽度早期癒合症」とい表現したほうが良いと私は考えます。

 

2 軽度三角頭蓋の治療をめぐる論争(リンク)

内容の詳細は以下の記事のなかで紹介しています。