封印されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

主に認知系統の学問を題材に、論文の下書きのような感覚で情報発信しています。読みにくい文章ですみません。きっかけは特異的言語障害(SLI)・聴覚情報処理障害(APD)・注意欠陥症状(ADD)。頭蓋縫合早期癒合症の成人当事者です。中央実行系(ワーキングメモリ)について研究中。

軽度三角頭蓋の原因について考えてみた(骨重積との関係)

まえがき

この内容はあくまでも筆者による仮説です。筆者はある種の確信として考えたことを書き残さなければ落ち着かない性格であるがゆえに、投稿いたします。

 

目次

 

第1 軽度な早期癒合症「軽度三角頭蓋」とは何か?

早期癒合症の論争の火種となっているのが、早期癒合の程度が軽度なものの存在です。これは「軽度三角頭蓋」ともいわれています。

通常の場合、頭蓋骨の前半分(冠状縫合が境目)を占める前頭骨は、乳児期の時点では縦半分に割れ目があります。これが前頭縫合です。

 

この前頭縫合が通常と比べ早期に癒合することがあります。これが前頭縫合早期癒合症です。頭蓋骨が局所的に変形し、それが真上から見て三角形の形をしていることから、「三角頭蓋」ともいわれます。

この三角頭蓋のなかでも、変形が軽度であるものは「軽度三角頭蓋」と呼ばれています。

この軽度三角頭蓋がもたらす問題点や原因について考察する上で、以下のことを考えてみました。

 

第2 軽度三角頭蓋は「個人差」か?

医学従事者の殆どが軽度三角頭蓋の手術に対して否定的です。

理由は様々ですが、否定している根拠の大前提について、以下のことを推測できます。

・軽度三角頭蓋は「そのように作られた」ものではない(第3項に詳細)

・軽度三角頭蓋が「個人差」である、すなわち早期癒合症の範疇ではない(以下詳細)

 

その根拠に前頭縫合の特殊性が挙げられます。矢状縫合やラムダ縫合、及び冠状縫合の場合、早期癒合症ではない場合に限り、癒合後も名残が残ります。それに対して早期癒合症ではないすべての場合、前頭縫合は癒合した後には、その名残が完全に消失します。

そのため、頭蓋変形の程度が著しい場合を除いて、前頭縫合の中心の「嶺(Ridge)」という所見は、あくまでも個人差の範囲であるともいえるわけです。

この論理構造では、軽度三角頭蓋は早期癒合症ではなくなります。

 

そして、軽度三角頭蓋では頭蓋内圧亢進のサインを示さないことが多いので、

しかし、わたしは軽度三角頭蓋は個人差ではなく、れっきとした早期癒合症であり、弊害ももたらすものだと確信しております。現にわたしがそうなんですけれどね。

 

 

第3 三角頭蓋と軽度三角頭蓋の違いに関する仮説

1. 「そのように作られたか否か」という違い

ご覧の通り典型的な三角頭蓋は変形が著しいです。これは、胎内で頭蓋骨が形成される段階で、「そのようにして作られるべくして作られた」結果が、典型的な早期癒合症ではないかと。

 

一方の軽度三角頭蓋について、私は以下のように推測します。

まず、三角頭蓋とは違い「そのように作られるべくして作られた」ものではない。なぜなら大泉門や小泉門の存在が認められるから。

軽度三角頭蓋とは、閉じる時期が通常の頭蓋骨と比べて早かった結果である、と。

 

では、「そのように作られるべくして作られた」わけではないにも関わらず、早期に癒合する可能性なんてあるのでしょうか? 

 

2. なぜ早くに閉じてしまったのか?

① 「骨重積」という頭蓋骨の機能

ここで、赤ちゃんの頭蓋骨の機能について説明します。

人間の赤ちゃんの頭蓋骨が癒合していない理由は、赤ちゃんの頭部が産道に通るためです。頭蓋骨が小さく変形することで産道に頭が通るという構造になっていますので、もし頭蓋骨が「完成」されていたとしたら変形できずに産道を通れないのです。

この機能を「骨重積」というそうです。

骨重積⇒児頭が骨盤内に侵入するときの応形機能で、恥骨側にくらべ抵抗の多い仙骨側の頭蓋骨が恥骨部の頭蓋骨下に重なりあう。そうすることで児頭の産道通過断面の縮小化を行う。頭位でのみ起こる。*1

 

 

② 骨重積の「もどり」と早期癒合

以上のことから、「頭蓋骨に一番負担がかからない」、すなわち骨重積が軽い程度ですむような理想的な組み合わせが、「小さい頭蓋骨と幅の広い産道」という組み合わせであることを理解していただけるかと思います。

 

話を戻しまして、骨重積の話から、頭蓋縫合の後天的な早期癒合を引き起こす原因の一つに、出産時の母体の産道と赤ちゃんの頭蓋骨の相性、という問題の可能性を仮説として私は提起します。

「大きい頭蓋骨と幅の狭い産道」という組み合わせの場合、どうなるか?上記の内容より導き出せるのは、産道を通るためには骨重積の程度を強くしなければいけません。

 

そして産道を頭蓋骨が通り抜けたとしても、変形の程度が強いがゆえに出産後の骨重積の「戻り」が不十分になってしまうということはないでしょうか。

この「戻り」が不十分であれば、縫合の隙間の面積が狭まります。これが通常の場合よりも早くに縫合が癒合する原因であり、こうして軽度の早期癒合症が生まれるのではないかとわたしは考えます。