封印されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

病気ブログというよりは、心理学や言語学を扱ったブログです。きっかけは特異的言語発達障害(SLI)・聴覚情報処理障害(APD)・注意欠陥症状(ADD)。頭蓋縫合早期癒合症の成人当事者です。

ADHDとLDの関係性についての分析してみる(2)

ADHD≠LD・

前回に引き続き、次にADHD学習障害との関連性を検証します。

ADHDの症状は、衝動性に基づく不注意性および多動性です。すると、本来の目的となる行為の遂行を衝動性が阻害するので、ADHDが学習に悪影響を与えることは確実です。

例えば、

・文章読解を解いているときに、関係のないことを考えてしまうのをやめられず、内容が理解できない

・授業中にずっと座っていることを我慢できず苦痛である

・授業中に好きな異性のことを見ることに夢中になることがやめられないために、先生の話を聞いていない

(もちろんADHDではない普通の人間でも、これらの衝動はよくあることです。衝動が発生してからさきが分かれ道で、ADHD特有の衝動性、すなわちその衝動の抑制がうまくできない部分がADHDの特徴ではないかと)

 

これだと学業に支障をきたし、成績が悪化するのは明白です。

しかし、ただそれだけのことなのです。

上記の症状のような衝動を抑制することができるようになれば、注意力を適切に配分できるようになり、学習にも集中して取り組めるようになるはずです。

LDの方は、脳内の認知経路の異常であるため、どんなに集中しても克服できません。

よってADHDによって「学業が障害された状態」はLDではないといえます。

 

ADHDとLDの親和性・

つぎにADHDとLDの病理学的な親和性の有無について検証してみます。

 

妊婦がアルコールを摂取すると、胎児の脳の発育に悪影響を与えるということを中学校の保健体育で学習した記憶があるくらいで、機序については詳しく知りません。

 

ただ、ADHDとLDとでは、脳内の異常箇所は全く異なります。

ADHD神経伝達物質の分泌異常による前頭葉の機能低下。

・一方のLDは、後頭葉頭頂葉、あるいは側頭葉にのびる神経の機能異常。

 

なので、ADHDとLDの症状が併発している状態は、2つの障害が別々に作用しており、偶然に併発していると考えるべきでしょう。

 

・結論・

DSM-5で定義づけられるADHDとLDの関係性の結論は以下のとおりです。

LDという認知障害だと、学業に支障をきたす →真

ADHDの衝動性が強いと、学業に支障をきたす →真

ADHDの衝動性が強いと、LDになる ⇒偽

しかし、ADHDとLDの発生との間に必然性はない。両障害が併発しているならば、それは偶然である。

 

・…とここで問題提起・

今回の検証ではADHDとLDとの間には共通点がないという結論に至りました。しかし、ADHDとLDの関係性について、話題になっていたのはそれだけの理由があります。

 

前回の記事の冒頭で、私はADHDとLDとの間に一定の関係性があると考えていると書きました。

それは、ADHDの範疇の中に存在するADDの場合です。

これまでの検証では衝動性に基づく「集中力不足」が原因のADHDを扱ってきましたが、次回は「注意力不足」が原因のADDが学習に与える悪影響について検証してみようと思います。

(つづく)