「封印」されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

考えたことを発信しています。メインテーマは認知科学。頭蓋縫合早期癒合症の成人当事者です。実行機能(ワーキングメモリ)について研究中。

(ノート)言語の処理と言語障害

通説とは異なるアプローチであるが、今後のブログで記述する内容を考慮して、以下のように言語行為を区別する。

 

言語を使った行為は、

・知的生産活動

・「知的処理活動」(造語)

の2つの側面を持つ。

 

★知的生産活動としての側面

例えば、言語行為のひとつである「読解行為」は、字の如く

「読んで理解すること」、

あるいは

「読んで解釈すること」

を意味する。

 

解釈とは、言語学でいうと文の「深層構造」(すなわち意味)の内容を把握することである。解釈する人が持つ知識や感受性は人それぞれであるため、解釈内容は多岐にわたる。

その原因は、文を構成する言語記号の性質のひとつである「恣意性」にあると私は考えている。ここでいう「恣意性」とは、言語哲学ソシュール言語学の研究対象である言語記号の特性として提唱した概念のひとつである。コトバには絶対的な意味は存在しない。コトバの存在とコトバの意味がつながっているような構造の実態は、他の言葉との差別化を目的とした差異体型であると彼は定義付けた。私はこの主張に賛同する。

 

知的生産活動としての言語行為の例として以下のものが挙げられる。

小説を読んでいる場面をイメージしてほしい。

・言葉を概念としてのシンボル化を通して理解するために必要な能力は、語彙力(ボキャブラリー)

・登場人物の感情を文面から推測するために必要な能力は、情動的共感力

・登場人物が考えていることを文面から推測するために必要な能力は、認知的共感力

など。

 

簡単にまとめると、言語を理解する力と行間を読む力が、言語が持つ知的生産活動としての機能に関わる。

 

 

★「知的処理活動」としての側面

「知的処理活動」とは、当方が知的生産活動と区別するために、当方が作成した概念である。知的生産活動とは異なり、言語理解をする際に間接的に関わる能力である。

知的処理活動には、読んだり聞いたりといった言語情報の入力するときの処理活動と、書いたり話したりといった言語情報の出力系統するときの処理活動とで分類される。それぞれの内容は以下の通りである。

 

入力系統(読む、聞く)

・文字を正しく認識する ⇒ 読み間違いを防ぐ効果

・文や単語の意味内容を短期に記憶する ⇒ 理解のための処理(?)

など。

 

出力系統(書く、話す)

・文字を正しく筆記する ⇒ 書き間違いを防ぐ効果

・イメージに合致する言葉を正しく話す ⇒ 言い間違いを防ぐ効果

・言語情報の出力時に、文の構造(統語構造)を頭のなかで整理する ⇒ 流暢に話すための処理

など。

 

簡単にまとめると、知的処理活動としての機能は、言語理解に直接的な影響を与えないが、速度や正確性といった要素として間接的に言語理解への影響を与える。

 

さて、私がこの2つの概念を提唱した理由は、混同されがちな、今日提唱されている言語に関わる障害類型を区別するために必要な概念だからだ。