「封印」されしアタマのなかより(大人の早期癒合症)

頭蓋縫合早期癒合症、および「ワーキングメモリ容量減少症候群」(仮)の成人当事者および研究者の視点で考えたことを発信しています。メインテーマは「注意」の認知科学的分析。

人はなぜ文を理解できるのか? 言語理解における情報処理と「脳内マルチタスク」の関係についての考察

第1 序論 第2 「句」が言語情報の認知における基本単位であることについて 第3 句の理解と文の理解の相違点について 1 脳内マルチタスクの必要性の有無 2 「脳内マルチタスク」を必要とする根拠 第3 句の理解におけるワーキングメモリ内の情報処理 第4 文…

音読に効果はあるのか?音読と読解の関係に関する論考

読解のためには音読をするとよいといわれています。 言語科目では音読教育が行われています。それは 「音読ができるならば、読解ができる」 という観念が働いているためだといえます。 しかし、オンラインの検索ボックスに「音読」と入力しますと、検索候補…

不注意な精神障害:「ワーキングメモリ容量減少症候群」の紹介 (特異的言語障害など)

第1 序論 第2 「ワーキングメモリ容量減少症候群」の定義 第3 概念説明:「注意の焦点」と「脳内マルチタスク」 第4 症状の現れ方について 1 ワーキングメモリ容量減少症候群の症状→「連続する複数の情報の統合処理によって達成可能な認知行為」の困難 2 な…

脳内で行われるマルチタスク:「脳内マルチタスク」の内容(文の認知と句の認知を比較)

第1 (まえがき)通常のマルチタスクと「脳内マルチタスク」 第2 「脳内マルチタスク」の定義 第3 ワーキングメモリ内の情報処理(貯蔵と保持)について 第4 言語情報の認知の際のワーキングメモリにおける情報処理(貯蔵と保持) 1 句の認知の場合 2 文の…

「不注意」を考察してみた(不注意優勢型ADHDとADD)

第1 記事の目的(「不注意」とは何か?) 第2 (前置き)ADHDの症状とADHDのタイプ 1 ADHDの症状の特徴 2 ADHDの種類 第3 ADHDの不注意性についての考察 1 ADHDの3つの症状の関係 2 ADHDの絶対条件である「衝動性」 第4 不注意優勢型ADHDについて 1 不…

ワーキングメモリとマルチタスクの関係についての持論  

第1 マルチタスクとワーキングメモリの関係を考察する理由 第2 マルチタスクの種類 2 通常のマルチタスク 3 「脳内マルチタスク」 第3 マルチタスクとワーキングメモリの関係 第1 マルチタスクとワーキングメモリの関係を考察する理由 マルチタスクとは…

ブログ紹介、および新年の抱負

お題「ブログ名・ハンドル名の由来」 今月で、このブログを開設してからおよそ半年たちました。記事数は少ないもののブログに割いている時間は多めだったためか、時間がとても速く過ぎたなと感じています。 ブログで書きたかった事柄を一通り、駄文ながら記…

コミュ障の種類について学術的に考えてみた

コミュニケーション障害(以下、コミュ障)とは、相手とのコミュニケーションに何らかの障害が生じている状態を指します。 ここでは性格や一時的な心理状態や知識の有無などとは関係のない、真正のコミュ障を認知科学の視点で分析します。 第1 コミュニケー…

「大人の早期癒合症」とはなんだろう?

当ブログの名前の副題になっている「大人の早期癒合症」というコトバは、読者の皆さんにとって初めて見聞きする言葉ではないでしょうか。 早期癒合症という病気は赤ちゃんの頃に発見されるべき病気なわけです。そんな早期癒合症に「大人の」という言葉がつく…

軽度三角頭蓋の手術を受けるべきか(軽度三角頭蓋の真実)

一般的な早期癒合症や症候群性早期癒合症に対しては、手術で解決するというケースがほとんどです。その一方で軽度三角頭蓋の場合は、沖縄県の下地先生による手術以外数えるほどの医療機関でしか行われていないという状況であり、そのうえ、残念ながら、主に…

軽度三角頭蓋の症状の解析(下地先生提供の情報をもとにして)

まずはじめに、軽度三角頭蓋が引き起こす問題の本質は、大脳皮質が圧迫されたことによる中央実行系の機能障害であると主張します。いわゆる「ワーキングメモリの小容量化」です。 このことについての記事は近いうちに投稿します。 それでは今回は、下地先生…

早期癒合症の手術適用条件に対する問題提起

第1 (序論)軽度三角頭蓋の症例の統計から導き出せる一つの仮説 第2 早期癒合症の頭蓋内圧亢進の特異性とは 1 頭蓋内圧亢進症状の原因の一覧 2 頭蓋内圧亢進症状の2類型 ①体積膨張による頭蓋内圧亢進症状 ②容積収縮による頭蓋内圧亢進症状 3 「容積収縮に…

軽度三角頭蓋と自閉症スペクトラムは無関係

軽度三角頭蓋の手術の是非を問う論争の原因のひとつに、軽度三角頭蓋と自閉症スペクトラムとの関係の有無という問題があります。 それでははじめに、その批判の原因となった部分について触れておきます。 下地医師によって軽度三角頭蓋の症状がリストアップ…

軽度三角頭蓋の治療をめぐる論争(手術の存在価値を提唱する下地医師と否定派)

目次 第1 軽度三角頭蓋の治療の現状 第2 軽度三角頭蓋の手術の詳細 1 手術適用条件 ① 年齢 ② 早期癒合症の手術適用条件との比較 2 手術の目的(手術を担当する側の意図) 3 軽度三角頭蓋の症状に関する統計 4 手術の目的(当事者家族の希望) 5 問題点 第3 …

軽度三角頭蓋の原因について考えてみた(骨重積との関係)

まえがき この内容はあくまでも筆者による仮説です。筆者はある種の確信として考えたことを書き残さなければ落ち着かない性格であるがゆえに、投稿いたします。 目次 第1 軽度な早期癒合症「軽度三角頭蓋」とは何か? 第2 三角頭蓋と軽度三角頭蓋の違いに関…

頭蓋縫合早期癒合症の予後について(「大人の早期癒合症」の一例)

目次 第1. (序章)「大人の早期癒合症」のエビデンスがない理由 第2. 私の早期癒合症の説明 1. 早期癒合症のタイプ 2. 発覚するまでの経緯 ①発覚したきっかけ ②幼少時より感じていた違和感(キマらないヘアスタイル) 3. 精神症状、その他 第3. 外見はどう…

発達障害とワーキングメモリの関係(原因は容量か?それとも機能か?)

目次 第1. ワーキングメモリについて 1. ワーキングメモリとは 2. 記憶との関係 3. 脳の部位 第2. ワーキングメモリと発達障害 1. 分類方法 2. 機能と容量とで分類すべし 第3. ワーキングメモリそのものの障害 1. 病巣はどこ? 2. 早期癒合症とワーキングメ…

(感想)丸山圭三郎「ソシュールを読む」① 

目次 1. 購入したきっかけ 2. 難点:専門用語の難しさ 3. 言語学だけでなく、哲学的視点も必要 4. 良い点①:読みやすい構造である 5. 良い点②:わかりやすいたとえ 6. こんな人におすすめ! 1. 購入したきっかけ 大学では私は法学部に在籍していたので、様々…

言語学と心理学を勉強するようになったきっかけ

このブログは、主に早期癒合症や注意欠陥症状に由来する諸症状をテーマとしています。記事を執筆するたびに思うことがありまして、それは、私が提言している内容は、世間一般的に見れば「前衛的」なんだろうなということです。 その理由の一つに、早期癒合症…

頭の良さってなんだろう? ~構図の訂正~

頭の良さを考える上で、「天才」と「秀才」の違いを考察するというのはなかなか興味深いことです。 しかし、分析していく中で気づいたのです。 秀才と天才が獲得した後天的な要素は全く同じであるということです。だから、秀才と天才の比較というのはわかり…

頭の良さってなんだろう? ~補足事項~

「天才肌」と「天才」の違い、あるいは「秀才肌」と「秀才」の違いを説明する上で、以下の観点の説明が必要と感じたので、補足します。 それは、頭の良さを器質的な側面と思考的な側面の2つに分類する観点です。言い換えれば、頭の良さとは先天的なものと後…

頭の良さってなんだろう? ~「天才肌」と「天才」の違い~

第1. 「天才肌」が示す内容 第2. 天才肌的な情報処理とは 補足. あえて天才肌を細分化 第3. 「天才」とは 結論 第1. 「天才肌」が示す内容 天才肌とは 社会の一員として生きていく上で、さほど必要ではない能力が優れている能力が備わっている先天的要素 を…

頭の良さってなんだろう? ~「秀才」の特徴~

目次 第1. 秀才の特徴 第2. 処理速度が速いだけの「秀才肌」は、「秀才」ではない 第3. 「既存の範囲内」の意味 第4. (まとめ)凡才→秀才までのステップ 第1. 秀才の特徴 秀才とは、 社会の一員として生きていく上で必要な能力が優れている人物 を意味する…

頭の良さってなんだろう? ~「天才」という言葉の意味と使われ方の分析~

「頭がいいね!」 …このコトバは、多くの人にとって褒め言葉になるのではないでしょうか。 突然「頭がいいんだね」とだれかに言われたら、それを純粋に解釈すればわたしも嬉しい気持ちになります。嫌味で使うことってあまりないですしね。 しかし、このコト…

ADDと学習の障害

注意力(以下、ワーキングメモリ)の不足が症状であるADDがもたらす悪影響は、日常生活における不注意の問題だけでなく、実は学業面にも及びます。 より正確にいえば、ワーキングメモリの不足は言語面に悪影響を与えるため、言語を媒体にした学業の学習が不…

ADHDとLDの関係性についての分析してみる(2)

・ADHD≠LD・ 前回に引き続き、次にADHDと学習障害との関連性を検証します。 ADHDの症状は、衝動性に基づく不注意性および多動性です。すると、本来の目的となる行為の遂行を衝動性が阻害するので、ADHDが学習に悪影響を与えることは確実です。 例えば、 ・文…

ADHDとLDの関係性を分析する (1)

・Prelude・ 発達障害にはいろいろな種類があります。そしてひとつひとつ違う症状を持っていて、それぞれが独自の原因や機序を持っています。にもかかわらず、不思議な事に発達障害は併発することがあります。しかも、低いとはいえない確立で。 併発の原因や…

DSM-5によるADHDの定義に対する疑問、および多動性と衝動の関係性

1. DSM-5による定義付けに対する問題提起 はじめに、世間一般で認知されているADHDに対する見解を紹介しましょう。 DSM-5によると、ADHDは以下の3種類の症状を持つ発達障害として定義付けられています。 ・衝動性 / 多動性 ・不注意性 そして、これらの症状…

(ノート)言語の処理と言語障害

通説とは異なるアプローチであるが、今後のブログで記述する内容を考慮して、以下のように言語行為を区別する。 言語を使った行為は、 ・知的生産活動 ・「知的処理活動」(造語) の2つの側面を持つ。 ★知的生産活動としての側面 例えば、言語行為のひとつ…

早期癒合症とその治療について

・早期癒合症の手術について さて、以前の投稿の中で早期癒合症治療の論点が、軽度の早期癒合症の扱いにあることを書きました。その前に早期癒合症の治療手段となる、手術の内容に説明する必要があります。 早期癒合症の手術は、大きく分けて2段階あります…